外国人客が「入っていいの?」と迷う居酒屋になっていませんか — Google マップに置く5枚の写真

店の前で立ち止まる外国人客が、見えていますか
赤坂、新宿、京都先斗町、大阪新世界、福岡中洲——居酒屋が並ぶ路地を、外国人観光客がスマホ片手に歩いています。
店の前で一瞬立ち止まり、Google マップを開いて、写真を3秒だけスクロールして、次の店に歩いていく。営業中の電気もついていて、店内にお客さんも入っているのに。
居酒屋オーナーさんから一番よく聞くのが、この「店の前まで来ているのに入ってこない」現象です。
理由はだいたい同じです。観光客が「ここに入っていいのか」を判断できない。
- 「営業中なのか、閉まっているのか」
- 「予約が必要なのか、当日でも入れるのか」
- 「カウンターしかないのか、グループでも座れるのか」
- 「外国人が浮かない店なのか、地元の常連だらけなのか」
- 「英語が通じるのか、メニューは読めるのか」
これらの不安は、店のドアを開ければ全部解消するのですが、ドアを開ける前の3秒の判断で外されてしまいます。
Googleビジネスプロフィール(以下 GBP)に置く5枚の写真は、その3秒の判断を変える材料です。汎用の飲食店向け「外観・店内・看板料理」の3カットでは、居酒屋固有の心理障壁は解けません。本記事は、居酒屋に特化した5枚の写真——外観昼夜・入口・席タイプ混在・客層シーン・看板料理——で、入りやすさを伝える形をまとめました。
飲食店一般向けの GBP 写真 3カットの基礎は飲食店の Google ビジネスプロフィール写真、最低3カット+週1更新の続け方にまとめています。本記事はその延長線で、居酒屋固有の整え方に絞ります。
今すぐの1分タスク
読み終える前に、まずこれを試してください。
自分の GBP 写真を5枚スクショして、近所の競合居酒屋2軒の写真と並べて比較する。
スマホで自店の Google マップを開き、写真欄の最初の5枚をスクショ。同じ手順で、近所の競合居酒屋2軒のスクショも撮ります。
3軒の最初の5枚を横に並べて、「外国人観光客がどの店に入りたくなるか」を3秒で判断してください。自分の店が選ばれなければ、何の写真が足りないかが見えてきます。
なぜ居酒屋は他の業態より「入りやすさシグナル」が必要か
居酒屋は飲食店の中でも、入店前の判断が見た目に依存する度合いが特に高い業態です。理由は4つあります。
1. 暖簾(のれん)が「営業中か閉店か」を読みづらい
外国人観光客にとって、暖簾は文化的に未知の存在です。日本人なら「暖簾が出ている=営業中」と一瞬で読み取れますが、観光客は「カーテンか、装飾か、入口か」が判断できません。
暖簾が降りていても、「もう閉店した店」と思われて素通りされることがあります。
2. カウンター単独に見えると「1人で入りにくい」
居酒屋の中には、カウンター席のみの店が多数あります。日本人なら「カウンターは1人客向け」が分かりますが、外国人観光客は「カウンターしかない=予約制の高級店か」「常連だけの店か」と判断しがちです。
逆に、テーブル席があっても写真がないと「グループで入れる店ではない」と判断されることもあります。
3. 予約必須に見える
英語で書かれた予約サイトが見当たらない、Google マップに「予約」ボタンがない、写真に「Reserved」「予約席」の札が写っている——これらが重なると、観光客は「予約必須の店」と判断して入店を諦めます。
実際には当日 OK の店でも、写真と情報設計でそう見えてしまうケースが多数あります。
4. 常連密度が高そうに見える
「カウンターに常連が並んで談笑している」写真は、日本人なら「賑わっている良い店」と読みますが、外国人観光客は「自分が入ったら浮きそう」と判断します。
ローカルな空気を維持しながら、「外国人客が浮かない」シグナルを送る——これが居酒屋特有の難しさです。
この4つの心理障壁を、これから紹介する5枚の写真で1つずつ解いていきます。
入りやすさを伝える5枚の写真
時間が限られている1〜2人運営でも続く、5枚の最小ラインです。最初から完璧でなくてかまいません。週1枚ずつ追加していけば、5週で1セット揃います。
1. 外観:昼の営業前 + 夜の営業中の両方
外観は1枚ではなく2枚載せるのが居酒屋の鉄則です。
- 昼の1枚:開店前、まだ暖簾が出ていない or 出した直後の自然光下の外観
- 夜の1枚:営業中の暖色光が漏れる、暖簾がはためいている外観
この2枚を並べると、観光客は「営業時間の流れ」を視覚的に理解できます。
例:赤坂の路面居酒屋なら、(昼)朝の自然光で看板と入口の全景、(夜)暖簾+提灯+窓から漏れるオレンジ色の光、の2枚。
夜だけの写真しかないと、夕方5時頃に通りかかった観光客が「夜だけの店か」「今は閉まっているのか」と判断保留します。昼の外観1枚は、それを解く最も低コストな材料です。
撮影は明るい窓際で十分です。スマホを両手で持って、歩行者の目線の高さから少し離れて1枚撮るだけで、Google マップに載せる用途では十分なクオリティになります。
2. 入口:のれんをくぐる動線が見える
入口の写真は、観光客が「ここをくぐればいい」と分かる動線が見えることが重要です。
- ❌ 階段だけの写真(階段の上に店があるが、店の様子が見えない)
- ❌ 個室入口だけの写真(小さなドアだけが写る、店内の様子なし)
- ✅ 暖簾をくぐる動線+店内が少し見える写真(暖簾の向こうにカウンターやテーブルが垣間見える)
居酒屋は地下や2階にある店も多く、入口が「店っぽくない」ケースが多数あります。「ここを入るとお店がある」が一目で分かる写真が1枚あれば、観光客は迷わず入れます。
撮影は、入口の少し外側から、暖簾と店内が両方フレームに入る角度で1枚撮ります。提灯やメニュー看板が写っていれば、さらに「居酒屋」というシグナルが伝わります。
3. 席タイプ混在:カウンターとテーブルが両方写る
席の写真は、カウンターとテーブルが同じフレームに入る角度で1枚撮るのが理想です。
これで観光客は「1人でも来ていい店」「グループでも座れる店」の両方を、1枚の写真で判断できます。
例:京都先斗町の路地裏居酒屋なら、奥のテーブル席に客が座り、手前のカウンターに1人客がいる構図——を引きで1枚。
カウンターしかない店の場合は、無理にテーブル感を出すよりも、カウンターの2カットで代用するのが正直で続きます。
- カウンター全景:席が10席並んでいる引きの写真(広さ感が伝わる)
- 席の手元クローズアップ:おしぼり・お通し・箸が置かれた1席分のクローズアップ(「ゆったりした1席」が伝わる)
この2カットを並べると、「1人でも来ていい」「席間隔がゆったり」のシグナルになります。
4. 客層シーン:常連と観光客が混ざる瞬間
居酒屋特有の写真として、客層シーンを1枚入れておくと強力です。
- 常連と外国人客が同じ空間にいる瞬間
- 後ろ姿または肩から下の構図で撮影(顔がはっきり写らない)
- 笑顔や乾杯のジェスチャーが見える
この1枚で、観光客は「自分が入ったら浮かない店」と判断できます。「外国人歓迎」と文字で書くより、視覚的に示すほうがローカル感を損ねません。
例:手前のテーブルに常連の日本人グループが座り、奥のカウンターに外国人観光客の1人客がいて、店主が両方に話しかけている瞬間——を引きで1枚。
撮影は、常連客に事前に許可を取るのが安全です。「Google マップ用に後ろ姿の写真を撮らせてください」と伝えれば、ほぼ嫌がられません。
許可が取りにくい場合は、閉店後にスタッフだけでシーンを再現するのも一つの方法です。テーブル席に小皿とジョッキを並べ、椅子に上着をかける——だけでも「人がいた空気」は伝わります。
5. 看板料理:「これ食べたい」1品
最後の1枚は、その店の「これを食べに来てほしい」一品を、皿全体が入るように真上または斜め45度から1枚。
居酒屋の場合、看板料理は「外国人客が見て分かりやすい料理」を選ぶのがコツです。
- ✅ 串焼き(焼き鳥・豚串など)— 何の肉か視覚的に分かる
- ✅ 刺身の盛り合わせ — 「sushi/sashimi」の認知度が高い
- ✅ 鍋料理(もつ鍋・水炊きなど)— 共有して食べる文化が伝わる
- ✅ 一品料理(卵焼き・出汁巻きなど)— シンプルで写真映え
- ❌ 居酒屋らしいローカルすぎる珍味(鯨ベーコン、塩辛、なめろうなど)— 看板にすると引かれる
ローカルな料理を出している店も、看板写真には「これなら食べたい」と思われる無難な1品を置き、ローカル料理は2枚目以降で見せるのが入店率には効きます。
撮影は、明るい窓際または店内の最も明るい位置で、皿が画面いっぱいに入る角度で1〜2秒静止してシャッターを切ります。加工アプリは使わず、自然光で撮ったままが、Google の表示優先度を下げない安全な選択です。
やってはいけない4パターン
居酒屋オーナーさんでよく見るつまずきパターンを4つ挙げます。
- 内装の高級感だけアピールする。床の間や立派な格子戸の写真ばかり載せると、「敷居の高い店」「予算が高そう」と映ります。観光客は「ちょっと飲んで帰りたい」ニーズが多数なので、カジュアル感とのバランスが必要です。
- 夜の暗い写真ばかり載せる。夜営業中心の店でも、昼の外観1枚は必要です。昼の写真がないと「今この時間、営業しているか」が読めず、夕方の観光客に外されます。
- 英語メニューが1枚も写っていない。看板料理の写真に、英語表記のメニューや POP が一切写っていないと、「言葉が通じない店」と判断されます。メニュー写真の1枚に、英語表記を含む POP を写しておくだけで、入店率に効きます。
- 「満席=繁盛」と思い込んで人が多い写真ばかり載せる。混雑シーンばかりだと「うるさそう」「並びそう」と読まれます。常連と観光客がゆったり混ざるシーンのほうが、観光客には入りやすく映ります。
週1枚追加の4週ローテーション
5枚を一度に整えなくて大丈夫です。週1枚追加するだけで、5週で1セットが揃います。
- 第1週:外観の昼と夜(2枚を同じ週に撮影)
- 第2週:入口・暖簾の動線が見える1枚
- 第3週:席タイプ混在 or カウンターの2カット
- 第4週:客層シーン(常連と観光客が混ざる)
- 第5週:看板料理の「これ食べたい」1品
5週後は、月1枚のペースで季節料理や新メニューに差し替えていくと、半年で約12枚の更新になります。観光客が見たときに「ちゃんと動いている店」「最新の情報がある店」というシグナルとして十分機能します。
撮影は、開店前の30分か閉店後の30分の静かな時間帯に固定すると続きます。スマホ1台で完結する作業なので、PC を開く必要はありません。GBP アプリを開いて、撮った1枚をその場でアップロードするだけです。
今週試すこと
次の3つを今週中にやってみてください。
- 自分の GBP 写真5枚と、近所の競合居酒屋2軒の最初の5枚を並べて比較する
- 今週中に「外観の昼」を1枚撮って GBP に追加する(夜の写真しかない店は、これだけで判断材料が増える)
- 来週の月曜「入口・暖簾の写真を1枚追加」をスマホのカレンダーに入れる
完璧な構図でなくてかまいません。「観光客が3秒で読み取れる情報量」を1枚ずつ足すだけで、店の前で立ち止まる外国人客の入店率は変わってきやすくなります。
🐾 ポンちゃんメモ
居酒屋は「ドアを開ければ全部解決する」業態だポン。だからこそ、ドアを開ける前の3秒で外されないように、入口・席・客層・料理の写真で「入っていいんだ」を伝えるのが効くポン。
居酒屋の写真戦略の延長線として、GBP・Instagram・LINE の使い回し全体は飲食店の写真戦略 完全ガイドに整理しています。インバウンド集客の12項目の全体像はインバウンド観光客が来る飲食店になる完全ガイド、入店時の英語フレーズ集は飲食店で外国人客に使える英語15フレーズも併せてご覧ください。
Kokoponは、LINE で撮った1枚の写真から Google マップ・Instagram・LINE 公式アカウントへの投稿を、自動翻訳付きでまとめるツールです。居酒屋のように1〜2人で運営しているお店向けに、週30分の運用が回るよう設計しています。詳しくはトップページからご覧ください。
参考
よくある質問
- 居酒屋の Google ビジネスプロフィールには、何の写真を載せるべきですか?
- 外観(昼+夜)・入口・席タイプ混在・客層シーン・看板料理の5カットが、外国人観光客の「入っていいか」判断のための最小ラインとして観察されています。汎用飲食店向けの3カット(外観・店内・看板料理)よりも、入口と客層シーンを追加した5カットのほうが居酒屋特有の心理障壁を解きやすい傾向があります。
- 常連のお客さんの顔が写ってもいいですか?同意の取り方は?
- 顔がはっきり写る場合は同意が必要です。同意を取りやすい現実解は、(1)後ろ姿や肩から下のショット、(2)顔が小さくぼやける引きのショット、(3)「Google マップに載せていいですか?」と直接聞いて OK をもらった常連さんだけ顔が分かる構図、の3パターンです。お店のリスクを下げるなら(1)か(2)が無難です。
- 「外国人歓迎」と書きたくないのですが、入りやすさはどう伝えればいいですか?
- 文字で「Welcome」「英語 OK」と書くより、写真5枚で示すほうがローカル感を損ねません。具体的には、客層シーンの写真(常連と観光客が混ざる)と入口の写真(暖簾をくぐる動線が見える)の2枚で、「外国人が浮かない店」というシグナルが視覚的に伝わります。これなら地元の常連さんも引きません。
- 夜営業がメインの店でも、昼の写真は必要ですか?
- 必要です。観光客は時間帯ごとに「今この時間、営業しているか」を判断します。夜の写真しかないと、夕方に通りかかった観光客が「夜だけの店か」「今は閉まっているのか」と判断保留して候補から外しがちです。昼の外観1枚は、開店前の準備中の時間帯に撮ったものでも十分です。
- カウンターしかない店でも、席タイプ混在は伝えられますか?
- カウンターのみの店でも、カウンターの「全景」(席が10席並んでいる引きの写真)と「席の手元」(おしぼり・お通しが置かれた1席分のクローズアップ)の2カットを並べると、「1人でも来ていい」「ゆったりした席」のシグナルになります。テーブルがない店は、無理にテーブル感を出すより、カウンターの心地よさを2カットで見せるほうが正直で続きます。
- 写真は週何枚追加するのが目安ですか?
- 週1枚で十分です。外観・入口・席タイプ混在・客層シーン・看板料理の5カテゴリを4週で1セット差し替えていくと、3か月で約12枚の更新になります。観光客が見たときに「ちゃんと動いている店」というシグナルとして十分機能します。






