韓国人観光客が小さなお店を見つけるまで — 台湾客との3つの違いと、個人店ができる5つの整え方

ルカム ジョスラン

ルカム ジョスラン

Utsubo代表 / Kokopon創業者

2026年5月20日·13分で読めます
韓国人観光客が小さなお店を見つけるまで — 台湾客との3つの違いと、個人店ができる5つの整え方

「韓国向けにやれば中華圏もカバーできる」が外れる理由

観光客が少しずつ増えてきたお店から、最近こんな声を聞きます。「韓国客向けに簡体字メニューを置いたら、台湾客にも韓国客にもピンと来ていない様子だった」。

韓国・台湾・中国本土は、探し方・言語・決定タイミングの3つすべてが別の市場として動いています。韓国は2024年に 約882万人 が訪日し、訪日客数の1位を維持しました(JNTO 訪日外客数)。2025年・2026年もこの勢いは続いており、「韓国客は遠い話」と思っていた個人店の前にも、現実として並ぶ場面が増えています。

台湾客向けの整え方は台湾人観光客が日本の小さなお店を見つけるまでで整理しました。本記事は、韓国客に特化した動線の話です。

今すぐの1分タスク

読み進める前に、これだけ試してみてください。

Googleビジネスプロフィールを開き、説明文の末尾に한국어で1行 — 「한국어 메뉴 사진 있습니다」 — を追加する。

これだけで、韓国客がGoogleマップで店を選ぶ際の「ここは自分の言語に少し配慮している店だ」というシグナルが立ちます。所要1分です。

数字の現実(30秒で)

訪日韓国人は2024年で 約882万人 と、訪日客数1位の市場です(JNTO 訪日外客統計)。1人当たり消費額は中華圏より低めですが、訪日回数が多い超リピーター層 を抱え、短期2〜4日の弾丸旅行で「いつもの店」を回す動きが観察できます。

中国本土客が2024年・2025年に大きく落ち込んだ局面でも、韓国客は伸び続けており、「中国客が戻らないなら韓国客に絞る」判断が現実的な小さなお店も増えています。

韓国客と台湾客・中国本土客の3つの違い

「アジア客」を国別に並べて見ると、韓国・台湾・中国本土は別の市場として動いています。

違い① 探し方 — Naver地図+Instagramリール

台湾客はGoogleマップ+PIXNETブログで探し、中国本土客は大众点评+Xiaohongshu(小紅書)で探します。韓国客はNaver地図(네이버 지도)と Instagramリール が中心です。

Naver地図は韓国国内では Googleマップ以上のシェアで、日本の店舗情報も一部反映されています。ただし日本国内の小さな個人店までは網羅されていないため、多くの韓国客は実際にはGoogleマップを使って日本国内のお店を探している のが実態です。

旅マエの動画リサーチは Instagramリールと YouTube韓国語Vlogが中心で、ハッシュタグ「#일본여행」「#도쿄카페」「#오사카맛집」が決定的に効きます。PIXNETやXiaohongshuのような長文ブログ文化は、韓国側では相対的に弱い傾向があります。

違い② 言語 — ハングル全翻訳ではなく、3項目だけ

韓国客は Papagoや Google翻訳のアプリで日本語サイトをそのまま読む比率が高く、メニューの全文ハングル翻訳は必須ではありません

優先度が高いのは次の3項目を한국어で短く出すことです:

  • GBP説明文に1行(「한국어 메뉴 사진 있습니다」など、実態に合うものを1つ)
  • 店内POPに価格・営業時間・支払い方法を한국어で1〜2行(韓国客向けの決済はNaver Pay・Toss・Kakao Payの3つに分散するため、PayPay経由でカバーできる範囲は国別決済方法ガイドで深掘り)
  • 多言語口コミ返信を한국어で1行(次に来る韓国客が読みます)

ハングルが店内に「全部」並んでいる必要はなく、1〜2か所に한국어が見える だけで「自分の言語に配慮している店だ」というシグナルが立ちます。返信テンプレは繁体字・ハングルでの口コミ返信例文にまとめています。

違い③ タイミング — 短期決定・当日動く

台湾客が2〜4か月前から旅程を組み旅マエ予約64%という統計に対し、韓国客は2〜4日の弾丸旅行が中心で、当日にホテルやカフェで「今からどこ行こう」と決める比率が高い傾向があります。

つまり、韓国客に効くのは 「今開いてる」「写真で雰囲気が分かる」「Googleマップで近くに出る」 の3つです。旅マエ予約導線より、営業時間の正確さ + 直近1か月の新着写真 + Googleマップでの位置精度 が決定打になりやすい構造です。

小さなお店が整える5つ(優先順位順)

予算階段の全体像はインバウンド集客の最小予算ガイドに整理していますが、韓国客に絞るとこの5つです。

① GBP説明文に한국어1行

GBPの「ビジネス情報」→「説明」の末尾に、한국어で1行入れます。「한국어 메뉴 사진 있습니다」「영어 메뉴 있습니다」「PayPay 가능」など、実態に合うものを1つで十分です。

② 写真3カット — 外観・席・支払い表示

韓国客は当日決定が多く、写真で判断します。次の3カットを揃えます。

  • 外観:看板と入口、Googleマップのピンと一致する角度
  • :席数感が分かる店内(韓国客はグループ来店が多く、何人入れるかが判断材料になりやすい)
  • 支払い表示:クレジットカード・PayPay・現金などの対応が見える1枚

写真整備の考え方は飲食店のGoogleビジネスプロフィール写真にまとめた3カット運用がそのまま使えます。

③ Naver Place(네이버 플레이스)登録の判断軸

「韓国客のためにNaver Placeに登録すべきか」は、迷いどころです。判断軸は1つです。

直近3か月の韓国客比率が3割を超えていれば検討、3割未満ならGoogleマップ整備を優先する。

3割未満の段階では、Naver Place登録の手間(韓国の電話番号、ハングル情報入力、運用)に対してリターンが見合わないケースが多い傾向があります。3割を超えた段階で、代行サービスや韓国人スタッフ・知人にリファラル依頼する形が現実的です。

④ Instagram韓国タグ #일본여행 等の併用

既存のInstagram投稿に、韓国側で使われるタグを3〜5個併用します。

  • エリア系:#도쿄여행 #오사카여행 #교토여행 #후쿠오카여행 #홋카이도여행
  • 業種系(カフェ):#도쿄카페 #오사카카페 #일본카페투어
  • 業種系(飲食店):#일본맛집 #오사카맛집 #도쿄맛집
  • 総合:#일본여행 #일본여행스타그램

本文の翻訳は不要です。写真の質と地名タグが届く決め手になりやすい構造です。

⑤ 多言語口コミ返信を한국어+日本語で

GBPに届いたハングル口コミは、翻訳アプリで意図を読み、定型のお礼1文+具体的な料理名や席の話を1行、한국어と日本語で2行ずつ返します。

例:

한국에서 와 주셔서 감사합니다. 다음에는 카운터석에서 천천히 즐겨 보세요. ご来店ありがとうございました。次回はカウンター席でゆっくり召し上がってください。

翻訳アプリの一次出力をそのまま貼らないのがコツです。具体的な料理名・席名・季節の一言を1つ足すと、後から読む別の韓国客への案内にもなります。

やってはいけないこと

個人店レベルでは優先度が下がる、または逆効果になりやすい施策があります。

  • メニュー全文ハングル翻訳:Papago前提の韓国客には過剰で、店内POPが情報過多に見えやすい傾向があります。3項目だけで十分機能します。
  • Naver Place登録を韓国客比率3割未満で急ぐ:運用負荷に対してリターンが見合わない場面が多いです。Googleマップ整備が先です。
  • 「韓流ブームに乗ろう」と内装を変える:韓国客は「日本らしい店」を求めて来ています。内装を韓国寄せする必要はなく、日本らしさ+한국어1〜2行の配慮 が現実的な落とし所です。

続けるコツ

月1回、Googleマップ口コミにハングルレビューが増えていないか確認してみてください。増えていれば、ご近所で韓国客に 見つけてもらう 流れが起きている観察できるサインです。Instagramの韓国タグ経由のリーチ数を月1回見直すと、施策の方向感が掴みやすくなります。

今週試すこと

  • GBP説明文の末尾に한국어で1行(「한국어 메뉴 사진 있습니다」など)を追加する
  • 写真3カット(外観・席数感・支払い表示)のうち、未撮影のカットを1枚撮ってアップロードする
  • 次のInstagram投稿に韓国向けタグ(#일본여행 等)を3〜5個併用する

Kokoponは、LINE上で写真とひとことを送ると、観光客向けに英語・中国語・韓国語に翻訳・整形してGoogleマップ・Instagram・LINE公式に同時配信するコーチ型ツールです。ハングル投稿・한국어口コミ返信の下書きも自動生成し、旅マエ整備と運用時間の両立を目指す設計です。詳しくはトップページからご覧ください。

参考

よくある質問

韓国客向けにメニューをハングルに全翻訳すべきですか?
全翻訳は不要です。韓国客はPapagoなどの翻訳アプリで日本語を読む比率が高く、メニューの写真と価格が見えれば判断できる傾向があります。GBPの説明文と店内POPに한국어で短く1行(「한국어 메뉴 사진 있습니다」など)入れる方が、コスト対効果が大きい場面が多いです。
Naver Place(네이버 플레이스)に登録すべきですか?
必須ではありません。店内の韓国客比率が3割を超えるか、観光地立地で旅マエ検索に強く依存している店であれば検討余地があります。個人店レベルでは、まずGoogleマップの基本整備(写真・営業時間・口コミ返信)が優先度が高い傾向があります。
韓国客と台湾客は同じ対策でいいですか?
違います。探し方(Naver地図/Google Maps)、言語(ハングル/繁体字)、決定タイミング(短期当日/旅マエ2〜4か月前)が大きく違います。同じ「アジア客」枠で扱うとミスマッチが起きやすいです。
ハングルの口コミに返信できないのですが、放置で大丈夫ですか?
翻訳アプリで意図を読み、定型のお礼1文+具体的な料理名や席の話を1行、한국어と日本語で2行ずつ返す形が現実的です。返信は次に来る韓国客が読みます。書き方の例は[Googleの口コミ、中国語・韓国語で来たらどう返す?](/blog/google-business/gbp-review-reply-chinese-korean)にまとめています。
Instagramは日本語投稿でも韓国客に届きますか?
ハッシュタグに「#일본여행」「#도쿄카페」「#오사카맛집」など韓国側で使われる表記を併用すれば届きやすくなります。本文の翻訳までは不要で、写真の質と地名タグが届く決め手になりやすい傾向があります。

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