観光地なのに客が来ない飲食店オーナーへ:素通りされる5つの原因と1週間の自己診断

周りのお店は満席なのに、自分の店だけ空いていませんか
浅草・京都・奈良・小樽——観光客がたくさん歩いている街で営業しているのに、自分のお店だけ空いている。前を通る観光客は隣のチェーン店や行列店に吸い込まれていって、自分の店には目もくれない。
「観光地なのに、おかしい」と感じているオーナーさんが、毎週このページに辿り着きます。
実際のところ、観光地で素通りされるお店には5つの観察可能な原因があり、ほぼ必ず1〜2個が当てはまります。「観光客に選ばれていない」のではなく、「そもそも候補に入っていない」状態であることが多い、というのがこの記事の出発点です。
今すぐの1分タスク
読み終える前に、まずこれを試してください。
スマホのGoogleマップを英語UIに切り替えて、自分の店のジャンルと地名で検索する。
設定 → 言語 → English に切り替えたあと、「ramen asakusa」「cafe kyoto gion」のように、観光客が打つだろうクエリを打ち込みます。
3回スクロールしても自分の店が出てこなければ、観光客の検索結果からは見つかっていない状態に近いと考えていい目安です。次に進みます。
なぜ「素通り」が起きるか(30秒で)
観光地で空いているお店のオーナーさんは、よく「うちは観光客に向いていないから」「立地が悪いから」と原因を立地や業態に置きがちです。
でも、観光地で繁盛している個人店と空いている個人店を並べて見ると、立地よりも「Googleマップ・店頭・営業時間・口コミ」の整備状態に差が出ているケースが目立ちます。
観光客は時間が限られているので、「行く候補」を3〜5店まで絞ってから歩き出します。この絞り込みの段階で外されているお店は、店の前を通っても入ってもらえません。
5つの自己診断
順番にチェックしてください。1項目あたり1〜2分で済みます。
診断1: Googleマップで「見つかっていない」
観光客が最初に開くのはGoogleマップです。検索結果の比較に入るかどうかは、写真・カテゴリ・営業時間の3つでだいたい決まります。
チェックポイント:
- お店のジャンル+地名(例: ramen asakusa)で検索して、3スクロール以内に出てくるか
- 写真が3枚以上あるか
- カテゴリが正しく設定されているか(「Restaurant」だけでなく「Ramen restaurant」のように具体的に)
- 営業時間が今週の実態と一致しているか
1つでも欠けていたら、診断1に当たります。対応策は飲食店のGoogleビジネスプロフィール写真、最低3カット+週1更新の続け方を参考にしてください。
診断2: 多言語シグナルが弱い
観光客は、お店の情報が「自分でも入れる店か」を読めるかどうかで候補に入れるか決めます。
チェックポイント:
- GBPの説明文に英語が1行でもあるか
- 紙メニューの主要品に英語1単語が添えてあるか
- 英語の口コミに一度でも英語で返信したことがあるか
- 入口に「English menu available」のような英語1行の表記があるか
ゼロなら診断2に当たります。完全翻訳は要りません。最初の1行でいいので英語のシグナルを足すと、候補に入りやすくなります。詳細は飲食店で外国人客に使える英語15フレーズを参考にしてください。
診断3: 店頭の第一印象が「観光客は入っていい」と読めない
店頭まで来た観光客が、入るかどうか決めるのは数秒です。
チェックポイント:
- 入口に英語1行の歓迎サインがあるか(「Welcome」「Open」「English menu available」のいずれか)
- メニューサンプルや写真が外から見えるか
- 暖簾だけで業態が読み取れない状態になっていないか
- 「ここは日本人の常連の店だ」という雰囲気だけが先に出ていないか
メニュー写真も英語サインもない状態だと、観光客は「自分が入っていい店か分からない」と判断して通り過ぎがちです。手書きの段ボール1枚で構いません。
診断4: 営業時間が観光ピークと噛み合っていない
観光客の昼食ピークは11時前後と15時前後、夕食ピークは18時前後です。
チェックポイント:
- 11時に開いているか(11時半開店だと、早い昼食組を逃す)
- ランチとディナーの間(15時〜17時)が完全に閉まっていないか
- 18時に開いているか(18時半開店だと、夕食ピークの最初を逃す)
- 定休日が土日や観光ピーク曜日と重なっていないか
地元客中心の営業時間が、観光客の動線とズレているケースが多く見られます。完全に合わせる必要はなく、間の30分だけでも開けると候補に残りやすくなります。営業時間の更新はGoogleマップの営業時間を変える3分手順(スマホで完結)を参考にしてください。
診断5: 口コミ砂漠になっている
観光客は短時間で複数店を見比べます。口コミの量と新しさは、比較画面で読み取られる「情報量」になります。
チェックポイント:
- 口コミ件数が10件以上あるか
- 平均評価が★3.5以上か
- 直近半年以内に新しい口コミがついているか
- オーナーからの返信が1件でもあるか
3項目以上が欠けていると、観光客の比較で他店に流れやすい状態になります。口コミは「増やす」ではなく、「会計時に短く一言渡す」「返信を必ず返す」を続けると、自然に積み上がりやすくなります。返信のテンプレはGoogleの口コミ返信、20の例文テンプレート(日本語・観光客向け英語つき)にまとめています。
やってはいけないこと
5つ全部に当てはまっても、一度に直そうとすると続きません。
- 全部一度に直す。1か月で5項目を平行して動かそうとすると、どれも中途半端に終わります。
- SNS広告に逃げる。診断1〜5が整っていない状態でInstagram広告を出しても、流入先のお店情報がスカスカで決まりません。
- 英語メニューだけで満足する。診断2は5項目のうちの1つに過ぎません。英語メニューを作っただけで「やった」と感じてしまうと、残りの4つは手付かずのままです。
- 「観光地だから関係ない」と諦める。立地や業態よりも、診断1〜5の整備状態のほうが先に効いてくるケースが多く見られます。
優先順位:今週は2つだけ
観光地で空いている個人店の多くは、診断1(Googleマップで見つかっていない)と診断2(多言語シグナルが弱い)の2つが当てはまります。
この2つだけを今週動かすと、来週からの検索結果の比較画面で候補に入りやすくなる確率が上がります。診断3〜5は来週・再来週に回してください。
具体的には:
- 月曜:GBPに外観・店内・看板料理の写真3カットを追加(診断1)
- 水曜:GBPの説明文に英語1行を足す(診断2)
- 金曜:紙メニューの主要3品に英語1単語を添える(診断2)
毎日30分も要りません。週3回・各15分で2項目分のタスクが片付きます。
今週試すこと
- スマホのGoogleマップを英語UIに切り替えて、自分の店のジャンル+地名で検索してみる
- 検索結果に出てこなかったら、写真3カットを今週中にGBPに追加する
- GBPの説明文に「English menu available」など英語1行を足す
- 紙メニューの主要3品に英語1単語(例: 豚骨ラーメン Tonkotsu)を添える
- 入口に「Welcome」「English menu available」の手書き看板を1枚出す
観光地で素通りされている店は、選ばれていないのではなく、そもそも比較表に載っていないことが多いです。まず「載る」状態に持っていく——それが今週の目標で十分です。
観光客向けの集客の全体像は、インバウンド観光客が来る飲食店になる完全ガイドに12項目でまとめています。スタート段階の最小タスクは観光客に来てもらう4ステップに整理しています。
Kokoponは、LINEで撮った1枚の写真からGoogleマップの投稿と多言語化を自動でまとめるツールです。「観光地で店を続けているのに観光客が拾えない」というオーナー向けに開発しています。詳しくはトップページからご覧ください。
参考
よくある質問
- 観光地なのに客が来ないのはなぜですか?
- 観光地の店が空いている場合、選ばれていないのではなく、そもそもGoogleマップの候補に入っていないことが多いです。写真ゼロ・英語情報ゼロ・営業時間が古い、のいずれかが原因として挙がるケースが多く、5項目を順に確認すると当たりがつきやすくなります。
- Googleマップで自分の店が出ているか確認するには?
- スマホのGoogleマップを英語UI(設定→言語→English)に切り替えて、お店のジャンルと地名(例:ramen asakusa)で検索します。3スクロール以内に出てこなければ、観光客の検索結果からは見つかっていない状態に近いと考えていい目安です。
- 英語メニューがないと観光客は入ってくれませんか?
- 完全な英語メニューは必須ではありません。入口に「English menu available」の手書き看板1枚と、紙メニューの主要品に英語1単語を添えるだけで、入店判断のハードルは下がります。完全翻訳より、「英語OKのシグナル」が先です。
- 営業時間は観光客に合わせるべきですか?
- 観光客の動線は11時・15時・18時にピークが来ることが多く、この時間帯に閉まっていると候補から外れやすくなります。完全に合わせる必要はなく、ランチとディナーの間(15時前後)の30分でも開けておくと、観光客の昼食タイミングを拾いやすくなります。
- 口コミが少ないお店は観光客に避けられますか?
- 件数1桁・★3前半・半年以上更新なしの3つが揃うと、観光客の比較画面で他店に流れやすい状態になります。観光客は短時間で複数店を見比べるので、口コミ数が少ない店は「情報不足で判断できない」と読まれて外されやすくなります。






